と、その日の朝刊に、安部龍太郎さんの「等伯」が直木賞受賞の報道・・。企画と受賞が偶然か必然かシンクロして、とても驚きうれしく思った。
展示される挿絵は、「等伯」が日経新聞に連載された際、西のぼるさんによって描かれたもの数十点。能登出身の西さんにとって、長谷川等伯という同郷の絵師に向かい合う仕事は、格別のものだったと思う。作品はいづれも極限まで引き算された簡潔なもので、それが情感溢れる日本的な色彩で描かれている。その中に、これはおそらく等伯へのオマージュのような、西さん独自の松林図があり、心に残った。
美しい原画と金箔にプリントされた作品を、ぜひこの機会に多くの方にご覧いただけたらと思う。
(今井金箔本店 水曜休み 2/26まで)