2013/01/07

「今井金箔」 虫篭

2013年は本日が仕事始め。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今日は参詣といくつかの挨拶廻りの後、2010年に設計した「今井金箔・本店」へ伺った。昨年末、店内に小さな部屋を増設したので、その様子も見たかった。
部屋は一坪たらず。その小部屋で二人の若い女性が、箔の縁付けという作業に精を出していた。薄く打ち延ばされた箔の厚さは一万分の一ミリ、気流でフワフワと勝手に動き出す始末。それを竹の箸で掬い取るや、ふうーっ、と息を吹きかけて一気に台へと移してゆく。さらにそれを専用の道具で裁断して行くのだが、この一連の所作が流れるように美しく、どこか呪術的で見惚れてしまった。
虫篭のような小部屋がキルヒャーの実験室みたいに使われていて、うれしくなった。

作品詳細は、こちら。







帰り際にインフォメーションを貰った。

「西のぼる 等伯挿絵展」 1/17から今井金箔本店ギャラリー






















西さんは珠洲出身の挿絵画家で、いまや歴史時代小説の挿絵では第一人者である。
随分前になるが、東山に「一笑」を設計したとき建築を気に入っていただいて、来沢の小説家の方に引き合わせていただいたり、一緒に四国へ旅行したりと可愛がって頂いた。
今回は、新聞に連載された安部龍太郎氏「等伯」の挿絵を金箔にプリントしたものが数十点展示される。今井さん独自の企画ながら、なんだかご縁の連鎖を感じる。