2013/07/15

「石川建築賞」

昨年竣工した「伏見台の家」が石川建築賞・優秀賞を受賞し、表彰式に出席。

表彰の後、審査委員長による受賞作品の講評があった。
この建築については、街や公園との関係を積極的に設計に取り入れていることや、建築主とのよい関係をつくることでその家族ならではの暮らしをデザインしていること、などが評価されたそうでとてもうれしく思った。

式に引き続き懇親会があり、建築主ご家族や施工に当たった「みづほ工業」も参加し、共に苦労を振り返り喜びを分かち合った。さらに、子供たちからサプライズの手作り表彰状(ダンボール製立体飛び出し式!)を頂いたりして、これにはすごく感激した。

その数日後、友人が集まって祝杯を挙げてくれる。写真の焼き物はそのときのプレゼントで、九谷焼き作家・山下一三さんの手作り。「伏見台の家」の「ふ」の文字が断面になった筆置き。

どちらも世界にひとつしかない贈り物、大切にいたします。





2013/05/25

「明るい庭」

庭がきれいだというので、お願いして「伏見台の家」の撮影をさせて頂いた。暮らし始めて一年後の撮影は、協力していただけるだけですごくありがたいものだが、この日はきれいに掃除をし飾り付けをして、ご家族で待っていて下さった・・。


















この住まいは、中庭を持つコートハウス。
写真右手には公園があって、2階のリビングからはその大樹と遠くに山並を望むことができる「借景の家」でもある。駐車スペースをいくらか緑化することで、公園が少しだけ広がったように感じられたらいいなと思った。










































前庭の一部は菜園になっていて、いくつかの野菜が草花といっしょに植えられている。
デザイン的には花壇の小口を薄く見せているところがミソ。土間はコンクリートを洗い出して骨材を見せ、素材感を出している。










































隣接するアパートの間を、小さな草花のあるアプローチとした。
途中に段があり、その手前に水盤をしつらえてある。エントランスまでの長い距離は
正面にアイストップとなる樹を置くことで、楽しいものに変えることができる。日本庭園からの教え。










































「玄関は小さく」、と言ったのは村野藤吾先生。「玄関にシャラシャラとした光が入ったら成功、」と言ったのは斉藤裕氏。中と外をつなぐエントランスは、待ち受け画面のよう。










































コート掛けのフックに手作りの可愛いオブジェが掛けられていた。思いがけない使い方をしてくれるのを見るのは、家をいっしょに作っているようで、すごくうれしい。









































中庭のメリットは、ひとつの樹を複数の部屋から楽しむことができるところ。 道路からの視線を気にすることもなく窓を開け放すことができ、部屋に光と風を運んでくれる。  

全ての部屋にデッキがあるので、庭へ出たり、木に触れたり、そのまま隣の部屋へ移動したりできる。

                                                                            




































2階には広いデッキがふたつあり、外部階段で1階とつながっている。
ご家族にはこの夏に向けて、デッキに朝顔の緑化テントを架けるプロジェクトがあるそうだ。どんな風になるのか今から楽しみ。
2階デッキからの光景。
壁の手前が中庭で、向こうが公園。景色は官民境界をまたいでつないでいる。

日本には「借景と」言う言葉があるけれど、景色の貸し借りとはおもしろい。
ならばどうやって返すか、そこが問題だ。 

作品詳細は、こちら。                           

2013/04/01

「金沢工業大学」  2013・春

金沢工業大学で三年生の設計課題の授業をお手伝いして、もう13年目になる。

大学のキャンパスには堂々たる大樹が多くていつも素晴らしい。とりわけ春、2号館中庭の見事な枝垂桜を見ることは新年度の楽しみのひとつだ。最大の楽しみは、新しい学生諸君の顔を見ることに尽きるのだが、その前に30分間パワーポイントによる自己紹介の時間をいただいていて、それが今だに緊張する。それは自身の賞味期限を考えるからで、学生時代の私は冷静に教師を値踏みしていたものだ。

今年は、そんな学生時代に傾倒したル・コルビュジエの話から初めて、近代建築の五原則を経由し自作の「Gペントハウス」を紹介することにした。このペントハウスはマンションの屋上にある最小限住居で、第一課題の参考になればと思う。

コンクリートの技術が可能にしたフラットルーフの屋上は、空に近くて日当たりと眺めの良い快適な場所だが、なぜか日本ではあまり利用されていない。屋上を第二の大地と見立てて建築の大切な要素と位置づけたのは、ル・コルビュジエその人だった。あらためて作品集を見ると、彼の屋上はどれも船のデッキのようで、いかにも機械の時代の建築を思わせる。

私の屋上はといえば、借景の枯山水。日本的なものを現代の技術と材料で再構成している。特に夜景では、街の小さな光を庭につなげるデザインを工夫した。

作品詳細は、こちら。





2013/03/30

「住宅見学会」

早春の晴れた日に、クライアント候補を「寺地の家」と「伏見台の家」へご案内する。休日にもかかわらず両家とも家族総出で歓待して頂きありがたい。庭と室内の関係に意を注いだので、そのあたりを見てもらいたかったのだが、新緑にはまだ少し早かった。

とはいうものの、久しぶりに訪ねた家は住み手の色にほんのり染まって、幸せそうだった。持ち込まれた家具や道具類も自分の居場所を見つけてしっくり納まっていた。とても納まりそうにない子供たちは、家や庭を元気に家を走り回っている。設計した建築がすくすくと育っている様を見るのは(いまどきの変な日本語だが)、普通にかなりうれしい。

作品詳細は、こちら。


2013/03/03

「白山比咩神社」 むすひ

「白山しらみね薪の会」設立フォーラム@鶴来公民館の帰りに、「しらやまさん」へ。今日、三月三日は豊年講春季大祭、白山の豊かな水に感謝する日だった。凛とした空気の中、見上げると注連縄(しめなわ)が、こちらを見下ろしていた。

注連縄は縄を締めたもの。縄は稲作と神道を文字どうり固く結んでいる。
wikiによると、結ぶの「ムス」とは「ウムス(産むす)」のムス、「苔ムス(生える)」のムス、とのこと。つまり生命力を奮わせるの意が込められているそうだ。そういえば、注連縄を腰にする横綱は横の綱、つまり注連縄そのものだが、圧倒的な力量を身体条件としていたり、天覧相撲というものがあったりで、神道に纏わりいろいろとリンクする。

妙にむっちりとした注連縄の姿は、エロスの形象だったのかもしれない。