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2014/04/19

「希望の壁」 

JR大阪の北側に位置する「梅田スカイビル」、その足元に造られた安藤忠雄さん設計の緑化壁「希望の壁」に立ち寄った。

この壁は新梅田シティの20周年を記念して、運営管理者である積水ハウスが建設したモニュメント。
ところが、建設の際同ビルの造園設計者から、この緑化壁は著作権侵害との理由で、設置の指し止め請求を申請され、ネットを賑わしていた。さらに完成後は、緑化壁はただのプランター置き場に過ぎないなどと揶揄され、気にかかっていたのだった。

実際に現場に立ち、私見ではあるけれど感じたことは、この緑の壁は周辺の環境を丁寧に読み、隣接するの庭園との間をおきながら共存し、都市的風景までもを再構成した仕事だということだ。

壁は3mほどの厚さがある鉄骨造の建築で、内部にはメンテナンス用の床と給排水の設備が設けられ、植物の管理がスムーズにできるよう作られている。

「動線を分断する巨大な壁・・」などと聞いていたのだが、全長78m・高さ9mの壁のスケールは絶妙で、壁に空けられたいくつかの開口部のプロポーションが美しい。人の通りも風の通りもよく、むしろ超高層の足元でそのサイズは、やや遠慮気味ではないかと思えるほどだった。

よく言われることだが、建築は見なければ分からない。そしてそれは、ネット上の評価にも言えることだとあらためて感じた。





2013/02/23

建築逍遥 「海と渚の博物館」

若くして肺を煩い闘病生活を送ったことがある。医師から、美味しいものを食べて散歩でもしていなさいと言われ、有り余る時間を、読書と散策と設計コンペに費やした。その中で、幸運にも「セントラル硝子国際建築設計競技」に入賞、私の案を押してくださったのが内井昭蔵先生だった。

海の暮らしを紹介するこの博物館は、県内にある先生の作品。なんといっても圧巻は、船を裏返したような屋根の小屋組みだ。先生は晩年の仕事でコンピュータを駆使しており、おそらく「からくり記念館」同様、この複雑な曲線の架構を、その技術と遊びながら設計されたのではないかと思う。たっぷりとした三次曲面の屋根は、先生の大らかな人柄と重なるものを感じる。建築が海のやさしさと厳しさの両面を表現しているように思う。

この4月から能登有料道路が無料化となる。展示内容は体験型なので、建築関係のみならず家族連れや観光客にも楽しめる内容だ。白尾インター下車、西田幾多郎記念館の近くなので、ぜひとも多くの方に訪ねていただきたい施設である。